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吐いたり、元気をなくした時見落とされる原因に、
「ジャガイモ」　があります。

ジャガイモは、タバコと同じ毒草の多いナス科に属します。
毒草の朝鮮アサガオもこの植物グループです。
子供のころに、「ジャガイモの芽や緑の皮を食べてはいけない」と聞いたり、教わったことはないでしょうか!!!?

実は、ジャガイモには、割と強めの毒が含まれています。

あまり知られていませんが、犬で吐き気や不調の原因になっていることがあります。あまりにもなじみの深い野菜なので、見落とされる場合があります。

ジャガイモの毒は「ソラニン」と考えられていました。しかし、最近では、ジャガイモの主要な毒素は
『チャコニン』といわれています。

チャコニンを知っているかどうかで、栄養学や、手作り食に本当に詳しいかどうかがわかるという人もいるぐらいです（笑）

人が平気で食べているから平気だよ！とか、ふつう犬で起きていないから大丈夫という意見もあるそうですが、犬に悪い「玉ネギ」などは、西洋の犬より、日本犬が弱いとか、犬種や個体によりかなり違うことが知られています。

人でいえば、食品の牛乳で１リットル飲んでも平気な人と、コップ一杯でトイレに直行の人と、有益・有害に大きな差があります。
犬は、それ以上に個体差があると思われます。

現在では、ジャガイモの毒素は、ソラニンより、「チャコニン」がより悪いと考えられています。

より正確にジャガイモの毒性を判定するため、、ソラニンやチャコニンなどのアルカロイドの総量（グリコアルカロイド）で毒性を判断する方向にもなってきているように、ジャガイモの毒性を科学的に正確に測る努力がされていることから、ジャガイモに毒があることが明らかだと、ご理解いただけると思います。

ジャガイモのチャコニンなどは、加熱してもほとんどなくなりません。　ですので、煮たり、焼いてもチャコニンが大丈夫とはなりませんので注意が必要です。

また、ジャガイモによっては、毒の含有量が平均の１０倍のアルカロイドを含むこともあるといわれています。この含有量は人の子供が中毒症状を起こす量にもなってます。犬が食べると人より少量でもっと簡単に中毒に至ることが予想いただけるのではないでしょうか。

実際に、原因不明の吐き気と、不安、震え、などを起こしたワンちゃんに、ジャガイモをやめていただいたら（トッピングで使用されていました）、１日で治ったケースがあります。
通常はジャガイモの毒素は、２４時間で排泄されます。

元気を消失したり、嘔吐を繰り返ししなくて、ジャガイモ中毒が原因と考えられる場合は約１日で回復します。（ひどく元気をなくしたり、嘔吐が繰り返される場合は別の病気も考えられますので必ずかかりつけの動物病院等にかかってください。）

ちなみに、ジャガイモ中毒の症状は、吐き気、嘔吐、下痢、神経症状などです。

ジャガイモには意外とたくさんの毒が！

ジャガイモには意外にたくさんの毒が含まれています。チャコニンやソラニンなどの毒性物質をグリコアルカロイド（GA）という数値でみてみましょう。

100ｇ中に
男爵 平均2ｍｇ
メークイン 平均5ｍｇ
のグリコアルカロイドを含んでいます。

この毒性物質は光にあたるとさらに増えます。

このようなトラブルが起きないように、一般流通のジャガイモは暗い所で保管され流通されています。

そのため最近はジャガイモの毒について聞くことが少なくなりました。毒物が増えないように流通されて食卓に上っているのですね！

ところが、家庭菜園や校内菜園、またスーパーの陳列で日光にあたったものでは危険なレベルとなる場合がよくあるようです。

人は、大人の中毒量に比べて、子供の中毒量はなんと1/10ぐらいで起きるようです。

もともと犬は肉食で植物に含まれる毒素を分解できる歴史が浅いですので、人の1/100の毒量でも起きると考えて予防したほうがよいと考えられます。

犬は中毒を起こしやすいのです。
ですが、意外に見落とされがちな問題ともいえます。

犬が喜んで食べていたのに、後で具合が悪くなることもあります。これは犬が肉食だったため毒を感知する能力が低いことが理由と考えられます。

人や豚やネズミなど、なんでも食べる雑食系動物は、毒を感知する能力が高いです。
犬が好きといって食べるものであっても単に毒を感知できていない可能性があります。飼主が覚えておくと役立つ知識かと思います。

（⇒次の記事へつづく）